紫音しか知らない……あたしの気持ち。
いつからなのかとか。
何でなのかとか。
そんなこと分からない。
けど、何故かいつも目で追っていて。
あたしの視界の中には必ずいて。
逸らしたいのに……逸らせなくて。
その金色の綺麗な髪が、いつもあたしの視線の先にいた。
あたしは………いつの間にか樹のことが好きになっていた。
幼なじみを好きになるなんて、よく漫画でもあるような話。
だからあたしは、幼なじみだからって、誰もが好きになるわけないって思ってた。
周りには樹よりかっこいい男の子だっていたし、それなりに恋もした。
………けど、気づいてしまった。
自分の気持ちに。
でも時が経つに連れて、樹と話す回数も関わるようになるのも少なくなっていった。
家が隣だったから見ることもあったけど、樹は夜中に遊ぶことが多かったから、見ることも極たまにだった。
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