沙絢ちゃんはニコニコとしていて、とても慣れてる様子だった。




やっぱりプロのモデルだから、今まであぁいう不良にも声をかけられたりしても動揺しないんだなぁ。



沙絢ちゃんって、すごい。




あたし1人で感心していると、千里に肩を叩かれた。




「ん?なに?」


「か、れ、し」


「え?」




後ろの教室のドアを差す千里の指の先を見ると………そこには樹がいた。




急いで樹の元に向かったあたしに、




「今日チャリ?」



いきなりそんなことを言い出す樹。




「え?チャリ……だけど……」


「じゃあ一緒に帰んねぇ?」


「いい、けど……」


「じゃあ迎えに行く」


「わ、わかった。でも何で…」


「あ!奈緒ちゃん!」




あたしの声を遮ったのは沙絢ちゃんだった。