………性格がいいと、あたしは本当に思った。





「さーやちゃーん」



昼休みの途中、沙絢ちゃんと話していると明るい茶色の短髪の男子が、沙絢ちゃんを呼んだ。




沙絢ちゃんに『知り合い?』と聞くと『ううん、知らない』と答え、


なのに沙絢ちゃんは教室のドア付近にいるその人の元に向かった。




よーくその人を見てみると、なんか見覚えがある気がして、


そういえば樹といつも一緒にいる、あの不良グループの1人だって思い出した。




沙絢ちゃんが近づくと、その短髪の人の後ろから見覚えのある男子たちが顔を出して、沙絢ちゃんを見てニヤけていた。




………どうやら、沙絢ちゃんを見たくて来たらしい。




「やべぇ、超可愛い」

「可愛いすぎじゃね!?」

「アドレス交換して!」




そっちからはそんな声が聞こえて、沙絢ちゃん困ってるだろうなぁ……なんて思って、沙絢ちゃんをチラッと見てみたら。




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