「バレるんだしって、バレる前にあたしからちゃんと言う予定だったもん!」
「はいはい」
「ってか、あたしから杉本さんに言いたかったのに!」
「はいはい」
「さっきから“はいはい”ばっかじゃん!」
なんと、紫音と杉本さんに連れてこられた場所は雑誌の撮影がよく行われてるスタジオがあるビルで――…。
初めは、初めて入る場所だから緊張していたけど、
紫音が勝手にあたしの恋路を杉本さんに話しちゃったことが引っ掛かって、スタジオに行くまでの間、ずっと文句を言い続けた。
「ねぇ?何でスタジオに連れてきてくれたの?」
落ち着きを取り戻したあたしは、紫音にそう聞いた。
「撮影の時間が長引いたから、ここで待っててもらおうと思って」
「じゃあ撮影見ててもいいの?」
「いーよ」
内心、ものすごくテンションが上がった。
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