それに分かってるから。
『おめでと』
紫音がこう言ってくれること。
「ありがとう」
紫音が親友でよかった。
今本当にそう思う。
素直に“おめでと”って言われると、また安心して涙が出てきそうになる。
けど樹の前で泣いたから慣れたのか、なんとか涙を抑えることができた。
あたしは紫音に詳しく今日あったことを全て事細かに話した。
樹が引っ越しちゃうことにも最初びっくりしてて、
『あいつ奈緒置いてくの?マジでどういう神経してんの?あたしが一発殴っとこうか?』とか、ふざけて言ってた。
夜の7時くらいから8時くらいまで、約1時間くらい電話してた。
次の日紫音は朝早くから撮影ってこともあって、8時くらいに電話を切ることにした。
本当はもっと話したいことがたくさんあったけど、そこは紫音のためにも我慢した。
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