昔から可愛いものやピンクのものには目がなかった。
別に“いつから”好きになったかなんて、そんなことは分からないけど。
気づいたら部屋の中には、たくさんの可愛いものがあった。
ピンクのものがあった。
それからは誰よりも女の子らしくいようと、可愛いものばかりを買った。
フリルがついてるワンピース。
目がクリクリのピンクのウサギのぬいぐるみ。
ハート柄の雑貨。
せっかく女の子に生まれたんだから、誰よりも女の子らしくいようと心に決めていた。
そんなあたしには幼稚園からずっと一緒の、右隣に住む男の子と、左隣に住む女の子の、2人の幼なじみがいる。
左隣に住んでいる女の子は、あたしと同い年で紫音(しおん)という。
性格は一言でいうと、冷めてる。
学校ではみんなから影で“冷酷美女”と言われてるくらい、冷たいけど容姿は綺麗。
あたしの良き相談相手で、今あたしが1番信頼している親友。
去年、中学3年生の時に地元の駅でモデルのスカウトをされた紫音。
今では、その容姿やファッションセンスの良さから、全国の女子中高生の憧れの女の子。
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