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え、い、今、なんて言ったの?
海さんが招いてくれた、海さんの借りているアパートに。
心拍数が一気に激しくなる。
そんなの反則だよ、海さん。
ほ、本当に行っていいの・・・?
小さな声でそっと囁いた。
「勿論構わないよ。何も無いことだけど。それとも俺んちに来れないんかな?」。
なんて苦笑してみせたけど、あたしは首を縦に振って、行くとぽつりと告げて、バイトを再開したのだった。
内心、喜びでいっぱいで、自然と自然な笑いをしながら、接客をこなしたのだった。
いい感じに落ち着いてくると、あたしは賄(まかな)いを食べて、午後10時過ぎに、バイト先の表で落ち合った。
自転車を押しながら、海さんとあたしはなんとなくお互いに気になっていたプライベートなことを質問していた。
あたし的には答えられないことが多かったのだけれど。
ゆったり歩く、海さんとあたし。
緩い坂を上り下りしながら、途中、コンビニに寄った。
「ここからまだ歩くんですか?」。
徒歩五分過ぎてから、あたしは海さんに尋ねた。
「そうだねー、あとはまっすぐだから、このペースで行けば10時半には家に着くよ」。
と、簡単なつまみと、オレンジジュース(あたし用)のペットボトルと珈琲(海さん用)ペットボトルを買って。
コンビニを後にしたのだった。
「海さんちってどんなだろうー、ちょー気になるし!」
「んー・・・俺的には普通なんだけどね」。
「いいやー、男の人の普通って信用できないよー」。
「まぁ、ちらかってはいるけど、悪臭が漂うとかは無いから安心してよ」。
いつもどおりの自然な会話になっていた。
まだ会ってから一ヶ月は経っていないに違いないのに。
なんでこんなに信頼できるのだろう。
暗い夜の明かりにともる一軒一軒を眺めながら、夜空を比べていた。
星の光のほうが少し負けていた。
人工の光のほうが勝ってしまっていた。
そんな時に、海さんが少し薄暗いアパートを指差して、言う。
「あそこが僕の住んでいる場所だよ」と。
え、い、今、なんて言ったの?
海さんが招いてくれた、海さんの借りているアパートに。
心拍数が一気に激しくなる。
そんなの反則だよ、海さん。
ほ、本当に行っていいの・・・?
小さな声でそっと囁いた。
「勿論構わないよ。何も無いことだけど。それとも俺んちに来れないんかな?」。
なんて苦笑してみせたけど、あたしは首を縦に振って、行くとぽつりと告げて、バイトを再開したのだった。
内心、喜びでいっぱいで、自然と自然な笑いをしながら、接客をこなしたのだった。
いい感じに落ち着いてくると、あたしは賄(まかな)いを食べて、午後10時過ぎに、バイト先の表で落ち合った。
自転車を押しながら、海さんとあたしはなんとなくお互いに気になっていたプライベートなことを質問していた。
あたし的には答えられないことが多かったのだけれど。
ゆったり歩く、海さんとあたし。
緩い坂を上り下りしながら、途中、コンビニに寄った。
「ここからまだ歩くんですか?」。
徒歩五分過ぎてから、あたしは海さんに尋ねた。
「そうだねー、あとはまっすぐだから、このペースで行けば10時半には家に着くよ」。
と、簡単なつまみと、オレンジジュース(あたし用)のペットボトルと珈琲(海さん用)ペットボトルを買って。
コンビニを後にしたのだった。
「海さんちってどんなだろうー、ちょー気になるし!」
「んー・・・俺的には普通なんだけどね」。
「いいやー、男の人の普通って信用できないよー」。
「まぁ、ちらかってはいるけど、悪臭が漂うとかは無いから安心してよ」。
いつもどおりの自然な会話になっていた。
まだ会ってから一ヶ月は経っていないに違いないのに。
なんでこんなに信頼できるのだろう。
暗い夜の明かりにともる一軒一軒を眺めながら、夜空を比べていた。
星の光のほうが少し負けていた。
人工の光のほうが勝ってしまっていた。
そんな時に、海さんが少し薄暗いアパートを指差して、言う。
「あそこが僕の住んでいる場所だよ」と。