『のんっ・・・!!』

僕はふらふらと君の方へ行き、床にひざまずいた。

お母さんは席を立ってくれた。


君の周りにはいろんな線が張り巡らされていた。

そんな状況なのに君はいつもと変わらない笑顔で僕の名前を呼んだ。

「こうちゃん!」

なぜか分からないけど怒りがわいてきた。


『なんで言わなかった?!
僕がそんなに頼りないか??


「こうちゃん!声!」


はっと我に返り君を改めて見た。

明らかに痩せた。
元気そうだけどきっと無理に笑顔を見せてるんだろうと思った。


「書いたから読んでね。
今はいつもみたいにしてたい。」

僕はお母さんが座っていた椅子に腰掛けた。

君が手を伸ばしてきたから優しく握った。


前よりも細くなった指や手首。
そして何よりいつも通りの君の笑顔に涙が出てきた。


「こうちゃん・・・」

『ごめん・・でもっ・・・・』


僕はベッドにうつぶせて声を出さずに泣いた。
君はずっと手を握っていてくれた。