『そんな・・・僕はそんなつもりで見て欲しいんじゃなかったのに。』

「それは分かってる。
あたしは1番近くで望ちゃんの頑張ってる姿を見てきたから。
望ちゃんね、いつもあなたのこと話してた。
でもあたしが呼ぼうかって言っても絶対嫌だって。
こんな姿見たら康介くんが倒れちゃうって言ってたわ。」


倉見さんはクスクス笑った。

『でしょうね・・・
痩せていくのも耐えれませんでしたから・・・
髪の毛も、のんはちっとも気にしてなかったんです。
ただ、僕が嫌だった。
いまだに病気を受け入れられてません・・・』

「望ちゃんに康介くんのどこが好きなのって聞いたことがあるの。
そしたら康介くんが好きなんだって、そう言ったわ。
どことかそんなんじゃない。
康介くんだから好きなんだって。」


倉見さんがそんなことを言うから、いろんなことが思い出されて涙が出てきた。

『僕は彼氏失格ですよ。
彼女の異変に気付けなかった・・・』

「まだそんなこと言ってるの?
病気があったから得たものも多かったはずよ。
望ちゃんはそんなあなた見たくないと思う。」


倉見さんにずばりと言われてしまった。