お葬式の日、僕は特別に親族として出席した。
きれいに化粧をしてもらった君は穏やかな顔をしていた。

本当は辛くて苦しかったに違いないのに、最期まで笑顔なんて君らしいと思った。


立派な祭壇に君の笑顔の写真が飾ってある。
たくさんのすすり泣く声が聞こえたけど僕は泣かなかった。
君の笑顔に笑顔で応えたかった。


僕は弔辞も読ませてもらった。

弔辞はあの日記を部分的に読んだ。
そして最後に付け足した。

『君は本当に最高の人でした。
指輪ありがとう。
満足してくれないと思うけど、僕からも贈ります。

世界で1番愛しています。
ありがとう。大好きだよ。』


僕は後ろを振り返った。

『僕と彼女は約3年間、交換日記をしました。
これは彼女の闘病生活のすべてだといっても過言ではありません。
めったに弱音を吐かない彼女がここでは全て言えたんです。

どうか彼女がどれだけ頑張ったか見ていただけないでしょうか。
決して同情をかおうとしているとかそういうものではありません。
彼女の生きた証として読んで頂きたいんです。

長々と失礼しました。』