涙が止まらなかった。

『ばかじゃないの・・・・
死ぬなんて・・・言うなよ・・』


僕はノートを抱きしめた。
君にしてやれない代わりにきつくきつく抱きしめた。



しばらくしてお母さんが入ってきた。

「望のところへ行ってあげて?」

お母さんの目は真っ赤だった。

「あの子・・・目を覚まさないの・・・・」

僕はお母さんに駆け寄って抱きしめた。

落ち着くのを待って、一緒に君のいるところまで行った。


君は違う部屋に移動になった。
異変が起きても分かるようナースステーションのすぐ近くだった。


酸素マスクをつけた君の横にひざまずいて手を握った。

『のん?起きてよ。もう夕方だよ?』

心電図は規則正しくピッピッと音を出しているのに君はピクリともしない。

『日記読んだよ。
今日返事書くからさ、僕読むから聞いてよ。
ねえ、のん・・・
お願いだよ・・・・』

それでもやっぱり君は動かなかった。


『今日、泊まってもいいですか?』

周りにいる看護士さんに聞いた。

「もちろん。先生にお願いしておきます。」