ランプが消えてドアが開き、先生が出てきた。

僕とお母さんは立ち上がって先生に近づいた。


「先生・・・」

「一命は取り留めました。
しかし油断は許されない状態です。
・・・覚悟してください。」

そう言って先生は部屋に戻っていった。


君を乗せたベッドが出てきて、来た道とは違う方向へ行った。

お母さんはベッドを追っていったけど、僕にはそんなこと出来なかった。

『覚悟なんてできるかよっ・・・!』


1人でソファに座り、頭を抱えて泣いた。

君との別れが近付いていることが分からなかったわけじゃない。
わかりたくなかったんだ。

目の前まで来ていてもまだ目をつむって拒否してしまう。