抗がん剤治療を止めてからの君の日記はずいぶん明るくなった。

でも無理してそうやっているのが丸わかりだった。


「はい。」

いつものようにノートを手渡してきた。
僕は声を出さずに読んだ。

「今日はいつもよりずっと調子がいいんだ♪
こうちゃんももうすぐ夏休みだからたくさんいれるね!!

早く夏休みならないかな・・・


最近よくこうちゃんに告白されたときの夢みるんだ。
あたし、こうちゃんのこと何とも思ってなかったのになんかフィーリングってゆうの?
うんって言ったんだよね。
でも1回も後悔なんてしたことない。
こうちゃんの彼女になれてよかった。
ありがとう。大好き! のん」


僕はノートから顔を上げて君をみた。

『僕のことなんとも思ってなかったの?』

「そうだよ?存在は知ってたけど好きとかなかったし。」


君がけろっとして言うから僕は頭をかかえた。

君はけらけら笑った。