病院を出て君の家へ向かった。

インターホンを鳴らすとお母さんのどうぞというか細い声が聞こえた。


『お母さん・・・』

「康介くん・・・
なんであの子なのかしらね・・・
まだ21よ?」

『さっきのんから聞きました。
余命のこと・・・』

「1ヶ月って何?
早期発見だから治るんじゃなかったの?
毎日毎日辛い検査に副作用。
治ると思ったから続けたのに・・・」

お母さんはソファに座ったまま泣き崩れた。
君と同じくらい痩せたお母さんを僕は抱きしめることしか出来なかった。