「そんなことないの…。本当は私…」
お母さんが言葉に詰まる。
今さら私に何が言いたいのだろう?
どうして今さらになって私は悪くないなんて言うの?
今までのはじゃあなんだったのよ…
「本当はずっと…あなたに謝りたかった。本当はあなたをこんなに苦しめるつもりなんてなかった。心ではわかっていたの…あたなのせいじゃない、あの人は命がけであなたを守ったんだから、本当は私も守らなきゃいけないって」
「そんなこと聞きたくない!」
私は耳をふさぐ。
私には今のお母さんの言葉が言い訳にしか聞こえない。
本当は聞かなきゃいけないってわかってるけど
私の心はついていかなかった。
「真…」
陽がふいに私の名前を呼ぶ。
私はハッとして
「ごめんなさい」
お母さんに謝る。
そうだよね…
お母さんがやっと伝えてくれる気になったんだもん。
私がこんなんじゃいけないよね。
「あのねお母さん。私・・・お母さんに謝ってもらいたいわけじゃないの。ただ、昔のお母さんに戻ってほしいだけ」
「真…」
「私ね…昔みたいに家族と笑いたかった」
「うん…」
お母さんは静かにうなずく。
「お母さん…また昔みたいに仲良くして?」
すべてを許したわけじゃない。
いや…許せるわけがない。
でも、また一から始めればいい。
一から始めて、新しい家庭を築けばいい。
私はゆっくりとお母さんに手を差し出した。
お母さんは一瞬だけ驚いた表情を見せた後
にっこりとほほ笑むと
「ありがとう」
そう言って私の手を握った。
あれから私は3日ほどで退院した。
今では学校に再び行き始めている。
それからお母さんが今度再婚する。
あの優しそうな人ともう一度新しい家庭を築くそうだ。
確か名字は加藤さん。
私も再婚に当たって入院中に挨拶された。
つまり私の名字もいつか加藤になるということ。
そして陽はというと
「今日も遅くなる」
相変わらず忙しい。
私としては物足りないけどしょうがない。
だから朝は頑張って早く起きてお弁当を作ってあげている。
私がお弁当を渡すとかならず陽は
「ありがとう。じゃ、行ってきます」
チュッ
私に軽くキスをしてから出かける。
最初は恥ずかしかったけど何回かするうちに
これがないと心配になるくらいになってしまった。
「うっうん//いっ行ってらっしゃい」
まぁ結局恥ずかしいのは恥ずかしいんだけどね…
そう言えば私が陽に買われた理由。
退院した後に聞いたら、陽の一目ぼれだったらしい。
私が泣きそうな顔で道の端に座っていたのを見たんだって。
それでお母さんに事情を聞いて私を買うという形で
代わりに世話をすることをお願いしたんだと言っていた。
恥ずかしそうに言う陽は新鮮で可愛かったけど
私はもっと恥ずかしくなった。
「ありがとう」
そして理由を聞いた後に私はお礼を言った。
さらに、病院での会話も教えてもらった。
陽が必死にお母さんを説得したらしい。
それを聞いてさらに陽への感謝の気持ちでいっぱいになった私。
陽…
本当にありがとう。
陽…
私と出会ってくれてありがとう。
あなたがいたから今の私がいる。
出会ってまだ数カ月なのに私はもうこんなにもあなたが愛おしい。
これからも私と一緒にいてね?
約束だよ…
これからも私はあなたを
愛してる。
end
ついに完結しました。
完結するのに1年もかかってしまい本当にすみませんでした(汗)
また、途中から文章構成を変えたことも一緒にお詫びします;一_一)
今日から急いで修正していきたいと思います。
そして作品はいかがだったでしょうか?
陽と真…
これから2人はどうなるんですかね?
って作者がわからないのに皆さんがわかるわけないですね(笑)
続編は何人かの人からの希望によりただいま執筆中です。
よければそちらも読んでいただければと思います。
そして、感想やレビューのほうもお待ちしています。
さらに私の愛した人。完結後には新作品も書いていくつもりなので
ご希望のジャンルがありましたらこれも書いていただけると嬉しいです。
それではまた他の作品で。