「あっ…」


「おい?!」




歩きだそうと一歩踏み出した瞬間、私の視界がぐらっと揺らぐ。


倒れそうになった体を陽がささえる。




「あはは…ごめん」


「大丈夫か…?って…お前顔殴られたのか?」


「ちょっとね…」


「あとは?」


「お腹かな…あとは首も絞められた…」




陽の顔が再び険しくなる。


そりゃあそうだよね。


首を絞められたって聞いていい気分にはなれないよね…