今度は陽にもばれたみたいで
「照れるなよ(笑)」
そう言われた私の顔はきっと真っ赤だったと思う。
「もう知らない!!おやすみ!」
私はその場にいるのが嫌になりそう言って
仕事部屋から出て行った。
パタン
ドアを閉めハーッと息を吐く。
やっぱり素直になれない私。
そんな思いを抱きながらも急に疲れが出て
私はそのまま寝室に向かった。
----------陽side----------
パタン
『おやすみ』
閉められたドアに向かって俺は言った。
そして真が淹れてくれたコーヒーをまた一口飲む。
「照れるなんてな…」
ただ、ありがとうって言っただけで
普通照れるか?
最近様子がおかしいとは思ったが
やっぱりおかしい。
もしかして…
いや
そんなわけないよな…
もしかしたら真が俺を好きなんてな…
『はは…あるわけない』
そういえば約束の2ヶ月まであと少し。
このままでいいのか?
このままならきっと
何も変わんねーよな…
「もうどうしろって言うんだよ~」
そう言いながら頭をかきむしる。
2ヶ月まで約束一週間。
それまでにけりをつけるか…
俺はそう心に決めた。
----------達也side----------
お久しぶり~
俺が誰だかわかります?
わからない人のために
もう一度自己紹介。
名前は城ヶ崎達也。
相沢グループほどではないが
日本で上位を争う財閥の御曹司。
勉強も真には負けるが
学年2位。
モテ度は多分学校で一番。
うざい女子が毎日キャーキャー言って
俺にひっついてくることもあって
最近全く登場してませんでした。
そんな俺がなぜ急に出てきたのかというと
作者が可愛そうに思ったから…
ではなく、ちゃんとやることがあるからです。
そのやることとは…
『真に告白だー!』
前に告白してなかった?
って皆さん。
ちゃんとこの小説を読んでいらっしゃる(笑)
いや、笑いごとではないんですが
確かにあっさり付き合えない的なことを
真に言われてますが
ちゃんと告白して振られてないわけですから
まだチャンスはあると思っているしだいであります。
真は陽って人が好きらしいけど
そんなことは知りません。
俺は俺で陽って人とは違った魅力があると思うし
何しろ若い!!
価値観とかは絶対俺のほうが真に近いと思ってる。
だったらゆっくり真にアピールすれば?
っていう人もいると思うが
なぜ俺がこんなに焦ってるのかというと
真はモてる。
しかも本人自覚なし!!
「本当に鈍感だな」
と本人目の前でよく言うけど
本人は意味分かんないって感じで
罪な女です。
でも一番は陽って人が焦りの種で
一回しか会ったことないけど
かなりのイケメン。
たぶん、俺よりはるかにかっこいい。
見た目じゃなく中身も含めて。
「俺勝てんのか?」
『何してんのよ…』
?!
聞き覚えのある声に俺はハッとし
頭の中で考えていたことをすべて振りはらい
後ろを振り返った。
俺は瞬時に笑顔になり
「真~会いたかった」
「意味分かんないから!」
抱きつこうとしてみたがあえなく撃沈。
やっぱり甘え作戦は真には適してないな。
「そんでなにしてんのかな?マンションの目の前で」
そうそう言い忘れてたけど俺は今、真の住んでいるマンションの目の前にいます。
「真を待ってたんだ」
俺がそう言うと真はさらに
は?って顔で俺を見てきた。
そりゃ、は?ってなるよな。
彼氏でもない俺がいきなり自分を待ってたなんて言われたんだから。
「なんか用事?」
「まぁそんな感じ」
「学校で言えばいいでしょ!!」
ごもっともなんですが、俺にも事情があるんです。
「だって、学校だと女子がいて真に近づけないんだもん」
ちなみにほかの女子の前でこんな言葉づかいはしない。
いたってクールです。
(自分で言うな By 作者)
「あらそうなんですか?モてる人って大変なんですね」
皮肉っぽく言う真だが
自分もモてるということを自覚しろと思う俺であった。
いやいや、それは今どうでもいいとして
言わなきゃいけないことがあるだろ俺!!
「あのさ真今度の日曜日暇?」
「へ?まぁ暇だけど」
明らかに不審な目で俺を見ている。
そんなに警戒しなくてもいいのに…
「遊びにいかない?」
「は?!無理に決まってるでしょ!!」
おい!
いくらなんでも嫌がりすぎだろ…
でもここで負ける俺ではないのだ。