教室の前までたどり着くと
由美は急に緊張が込み上げてきた

｢やっぱり美佳に一緒に来てもらえばよかった..｣
と思ったが

今さらそんなことを言っても
遅いので
覚悟を決めて､いつもより
数倍重く感じるドアを勢いよく開けた


中には化粧の濃いギャル系の
女子が数人と

陰の薄そうな子が３人くらい

それと教室のど真ん中に
男子の集団が５人円を描いて
固まっていた

それ以外の生徒は昼休みだから
どこかに行ってるのだろう

ドアを開けた由美に
教室中の視線が注がれた

ギャル系の女子の一人が
由美に聞こえよがしに
｢あいつ誰だし｣と言っていた

由美は今すぐ帰りたいと
思ったが
秋沢 佑にはっきりと誤解を
解かなければ帰れない

と自分に言い聞かし
｢あの..秋沢くんいますか..｣
と聞こうと思ったその時


｢由美ちゃん｣

と言って男子の集団の中から一人
スッと立ち上がった

それは何を隠そう
昨日の女たらし男

秋沢 佑だった