由美はのんびりと朝食を食べながら
何気なくテレビをつけた

ニュース番組のいかにも新人といったキャスターが
必死にレポートしている

場所はどこかのプールだろうか

人という人がごった返している


由美はボーッと画面を眺めながら
プールという言葉にどこか違和感を感じた

なにか大切なことを忘れているよーな..


「...あっ!!」

そうだ、今日は佑とプールに行く
約束をしていたのだ

昨日あれだけ遅刻だけはしないように
と言い聞かせたのに..

なんて自分は馬鹿なんだろう

由美は食べかけのトーストを
皿の上にそのままにして

慌ただしく立ち上がり
急いで荷物をまとめた

「どーしよう..佑絶対怒るよなあ..」

初デートから遅刻など
絶対に許されない

由美は半泣き状態になりながら
嵐のごとく玄関を飛び出していった


しかし

由美はこの後、人生を変えてしまうような
ことが待ち受けていようとは

知るよしもなかった...