次の日

焼けるような暑さで由美は
目を覚ました

見るとクーラーが止まっている

どうやら故障したらしい

由美は額に溜まった汗を
拭いながら窓を開けた

モワッとした空気が入り込み
由美は思わずウッと声を漏らした

下のリビングに下りると
テーブルの上に雑な字で

「由美へ、朝ごはんは適当に食べてください。母より」

という紙が置いてあった

由美の両親は共働きだ

父、和博は大手電気メーカーの社員

母、良江は近所の花屋で働いている


由美はため息をつきながら
冷蔵庫の中をあさった

中には牛乳と卵、それとラップされた
サラダくらいしか見当たらない

「これを食べろってか..」
ブツブツと文句を言いながら

由美はパンをオーブンに入れ
少し遅めの朝食をとった

時間はすでに10時をまわっていた