佑はそれを見て
クスッと笑い、そして

「俺..本気なんだ..」
とボソッと口から漏らした

「えっ?」
由美は聞き直した

佑は今度は強くハッキリと
「俺!由美ちゃんのこと
本気で好きなんだ!」
と叫んだ

由美は今までそんなにハッキリと
「好き」と言われたことがなかったので
モゴモゴと何かを言いかけて
下を俯いてしまった

佑は
「俺..学校一の女たらしとか
いろいろレッテル貼られてるけど
実際今まで付き合った子は3人だけだし..
全部誤解だよ」

と嘆いた

「俺だってこんな風に言われたくないよ..けど、
もう諦めてんだ..俺」

佑は半分消え入りそうな声で
そう呟いた

由美は
佑がこんな表情をするのを
見たことがなかった

佑はいつも笑っていた

でも、あれは心からの笑いでは
なかったのではないだろうか?

ホントは誰かに
自分のホントの気持ちを
打ち明けたかったのではないか

由美はそう思うと
自然に体が前に動き
佑のことを抱きしめていた