由美は埃を掃う佑の手を掃って
「ちょっと話しがあるんだけど」
と単刀直入に言った

佑は一瞬「なんだろ?」というような
表情を見せたが
すぐに理解したらしく

「わかった」と言って
友達に先に行っててと伝え
由美の後をついて行った


学校の裏まで行くと
由美はクルッと向きを変え
佑と向き合った

「ここなら誰もこないから」
と由美は静かに言った

佑は
依然としてうっすら笑いを浮かべてるだけで
さっきから何もしゃべらない

由美は
このまま待っても向こうからは
何も言ってこないと判断し

「私..あんたと付き合うつもりないから」
と遠慮なしにはっきりと言った

佑は瞬き一つせずに
由美のことをジッと見ていた

由美は佑の瞳を見つめ返していくうちに
その中に吸い込まれそうな
感覚を覚えた

「綺麗な瞳..」
由美はそう思ったが
すぐにハッと現実に戻り

またキッと睨み返した