教室に入ると
美佳がものすごい表情で
由美に詰め寄ってきた

「ちょっと!
さっきのは一体どーゆうこと?
ちゃんと説明しなさい」

美佳の怒涛の勢いに気圧され
由美は慌てて

「あれはあいつが勝手について来たの!」
と否定した

美佳はまだ疑いの目を向けていたが
「ま..信じてやるか」
となんとか信用してくれた


キーンコーンカーンコーン..

朝のHRのチャイムが鳴り
担任がだるそうに教室に入ってきた

「よし、HR始めるぞ〜」
と担任が淡々と話し

「明日から夏休みに入るけど
いいか〜?
あんまりハッチャケるなよ」
と笑いながら言った

由美はその一言を聞いて
朝の正門でのことなど
一瞬でどーでもよくなった

それよりも..

「そうだ!明日から夏休みじゃん!」
由美は全く気付かなかった
というように頭を両手で抱え込んだ

明日から夏休みということは
今日中にあの秋沢 佑に
断りの返事を伝えなければ

夏休みに入ったら
会えるかどうかもわからない

携帯の番号もアドレスも知らないし..
連絡網で自宅にかけるなんて
死んでもやりたくない

由美は
「今日の昼休みが勝負だな」
と意気込み

一人静かに闘志を燃やしていた