「いらっしゃいませ。
二名様ですね。
7時に秋元様お待ちしておりました。
お先にお待ちしている方がいらっしゃいます。
こちらへ…」


いろんな意味でドキドキしながらウエイトレスの後を付いて行くと、窓際の夜景の見える机に上品にワインを持っている女性を見つけた。


…あの人だ…!


近づくと、女性はこちらを見た。
ウエイトレスは帰って行き、秋元さんはあたしをグイッと前に出した。


その瞬間、女性と目が合う。
綺麗な奥二重の切れ長の目に、高い鼻。
薄く紅で綺麗に引かれた唇。
サイドで緩く巻いて束ねた髪を揺らしながら立ち上がった。