「佐奈、ここで待ってて?」


「銀……ちょっと……―――!」


あたしが引き止める間もなく、銀は女子高生たちの元へ歩みを進める。



お目当ての銀が自分達に近付いてきたと、女子高生たちは目をキラキラと輝かせはしゃいでいる。


でも、銀が目の前でピタリと立ち止まると女の子達の顔色が曇りだした。


少しすると女の子たちは俯き、銀を見ることするしなかった。


「……銀………」


3人の緊迫した雰囲気から銀が女の子達に何を言っているのか容易に想像できる。


きっとあたしのことだ。


そして、銀があたしの元へ戻ってきたころには女の子たちは逃げるようにその場を立ち去っていった。