「どうした?」


ギュッと唇を噛み締めていると戻ってきた銀があたしの顔の前でブンブンと手を振った。


「あ、ごめんね。何でもない」


暗い表情でいたら銀が心配する。


何事もなかったかのようにニコッと笑うと、突然銀の表情が曇った。


「銀……どうしたの?」


眉間に皺を寄せ露骨に苛立った表情を浮かべた銀は、前方にいる女子高生たちに鋭い視線を送った。