あたしと銀は駅ビルに足を踏み入れた。
そのままエスカレーターを上がり女子高生御用達のショップに入る。
周りは女の子ばかりで、頭一つ大きい銀はどこか浮いている気がする。
それもいい意味で浮いていた。
「ねぇ、あの男の子カッコ良くない?」
「めちゃくちゃタイプなんだけど!」
店内にいる女の子達は皆、銀に釘付けといった様子。
銀が店内を移動するたびに、女の子達が銀を目で追う。
やっぱり銀ってカッコいいんだな……そんなことを今更ながら実感する。
「……ねぇ、銀は何であたしの欲しい物を聞いたの?」
ショップの中の商品を見ながら横にいる銀に聞くと、銀は少し照れくさそうに答えた。