「冗談だって」


「……もう！冗談キツイよ」


クスクスと笑う銀をチラッと横目で睨み、何とか平常心を保とうと必死になる。


ダメダメ。


期待しちゃだめ。


きっと銀は誰に対してもこういうことするんだ。


暴れ出した心臓を落ち着かせようと一度大きく息を吐く。



「で、欲しい物決まった？」


「……銀」


「え？」


仕返しとばかりにそう言うと、銀は目を丸くして驚いていた。


「それ、マジ？」


「……冗談だよ。さっきのお返し！」


ニコッと笑いながら銀を見ると、


「テメェ……――――」


銀は眉間に皺を寄せあたしをきつく睨みつけていた。


「……あ……」


ヤバい……本気で怒らせちゃったかも……。


今まで見たことのない銀の表情。


その目があまりにも鋭くて、あたしは思わず体を硬直させた。