学校を出ると、銀はあたしに問い掛けた。


「佐奈、何か欲しい物ない?」


「欲しい物?」


「あぁ、何でもいいんだけど」


「う~ん……何だろう?」


欲しいものって聞かれても、急には思い付かないな。


こまごました物はたくさんあるけど。


考え込んでいると銀がそっとあたしの耳元に手を添えてそっと囁く。



「俺?」


「………っ!!」


耳に銀の吐息が触れ、あたしは思わず頬を赤らめ目を泳がせた。