先輩はずっとチャラくて女好きで軽い人だと思ってた。


でも、それはあたしの思い違いかもしれない。


「先輩……ありがとうございます」


その声が先輩に届いたかどうかは分からない。


あたしは去っていく先輩の背中を見えなくなるまで目で追い掛けた。