あ……でも、トイレ行きたいかも。


「真理子、あたしトイレ行ってくる!」


教室の入り口からちょこんと顔を出し真理子にそう言うと、真理子は大きく頷いた。


「あれ一条先輩じゃない?!」


「嘘?!何で先輩がいるの??」


すると、突然周りにいた女子生徒達が悲鳴にも似た黄色い声を上げた。


不思議になってパッと顔を上げると、前方から一条先輩がゆっくりとした足取りでこちらにむかって歩いてきた。