真理子の言葉は本当だったようだ。


昼休み、派手な3人組に呼び出され廊下に行くと3人は小さく頭を下げた。


「上履きにらくがきしたのも、倉庫に閉じ込めたのもあたし達なの。あたし達ずっと前から銀くんが好きで……。鈴木さんに嫉妬してた」


「……うん」


「でも昨日銀くんに怒られて気付いたの。鈴木さんに嫌がらせするのはお門違いだって。本当にごめんね」


倉庫に閉じ込められた恐怖と上履きに落書きをされて精神的ダメージを受けたのは確かだ。


でも、銀と付き合っていくためにはこんな試練は何度も起こるだろう。


その度に挫けていたら、銀の彼女でなんていられない。


「もういいよ。そんなに謝らないで?」


あたしは銀と出会う以前より、ずっと強い人間になった。


あたしがそう言うと、女の子達は最後にもう一度頭を下げあたしの前から足早に立ち去った。