「何これ……」


女の子達と銀の話声が耳に届くたびに、胸がギュっと締め付けられていてもたってもいられなくなる。


胸がモヤモヤして苦しい。


いつの間にか誰もいなくなった教室であたしはきつく目を瞑った。


何でこんなに苦しくなるんだろう。


切なくなるんだろう。


分かんない。


この気持ちが何なのか、全然わかんないよ。



「あれ?佐奈、こんなところで何してんの?」


扉に背中を預けて目をつぶっていたあたしは、その声と同時にハッと我に返った。