幼稚園の時……

古ぼけた公園に捨てられていた子猫。


頭の中で何かが引っ掛かっている。


それはとても大切な出来事のような気がして。


「あ………!!」


「どうしたの急に大きな声出して?」


頭をフル回転させて考え込んでいると、曖昧だった記憶が一気に蘇りあたしは目を見開いた。



ずっと心の奥底に封印していた記憶。


幼稚園の頃、確かにあたしは捨て猫を拾った。


でもその一週間後、必死の看病のかいもなく子猫は死んでしまった。