どの位の時間泣き続けていたんだろう。


「佐奈!!ちょっと来て!!!」


一階から聞こえてきた母の声にゆっくりと顔を上げる。


部屋の中は真っ暗なのに電気を付けることすら忘れていた。


涙は枯れてなどくれず、銀を思うと再び涙が溢れそうになる。


「……佐奈!聞こえてるの?!」


でもそんなあたしの気持ちになど全く気付いていない母は、もう一度大声で急かす様にあたしの名を呼んだ。



「はい!今行く!!!」



このままずっと部屋に閉じこもっていたら母に変に思われるかもしれない。


あたしは仕方なく目尻に残る涙を手の甲で擦り一階に下りて行った。