御揃いの猫のキーホルダーを買ってくれたり、ホワイトデーにキャンディーをくれたり。


あたしの事を気遣って翔太くん達と喧嘩になったこともあった。


銀に片思いを続けていたあたしは、いつだって銀の行動に一喜一憂していたね。


銀に好きな女の子がいると知って一度は諦めようとした。


銀へのはち切れてしまいそうな想いは時間が解決してくれると思っていた。


でも忘れることなんてできなかったの。


離れれば離れるほど、心に大きな穴が広がっていくだけで。


その穴を埋められるのは他の誰でもなく、銀だけで。


ねぇ、銀。


あたし知ってたんだよ。


あたしが一方的に銀から距離を置いたのに、銀はキーホルダーを外さずにいてくれた。


だからあたしも外さずにいたの。


言葉を交わすことはなくても、それだけで繋がっていると思えたの。