「違う。佐奈のせいじゃないから。俺の問題なんだ……」


「俺の問題って……何?」


可愛くもなくて平凡で地味なあたしが嫌いになった?


それともやっぱり……


「悪い、今から行く場所あるから」


「あたし銀と別れたくない!あたしは銀が……」


「ごめんな」


その声と同時に、あたしの耳には電話の終わりを告げる虚しい機械音が響いた。