すると、5コール目で銀の低い声が耳に届いた。


「もしもし?」


「もしもし?銀?」


「あぁ。どうした?」


別れようというメールを送った後とは思えないほど銀の様子はあっけらかんとしている。


声のトーンも普段と変わらない。


よかった……。


やっぱりさっきのは冗談だったんだ。


ほんの少しだけ安心感が心の中に広がっていく。



「あのさ……さっきのメールって冗談だよね?」