「……銀―――!……っ、ゴホッ!!」


「おい、大丈夫か?」


あまりの驚きにパンを喉に詰まらせむせるあたし。


銀はあたしの背中を擦りながら苦笑いを浮かべた。


「……もう……大丈夫」


ようやく落ち着きを取り戻したのに、何故か心臓の音だけはドクンドクンと煩く鳴り響く。


背中に残る銀の熱に全身が熱を帯びた気がした。


顔が火照り銀の顔を見ることが出来ない。



「あのさ、今日の放課後時間ない?」


「え……?」


「ちょっと付き合ってほしいんだけど、無理?」


「無理じゃないけど……」



あたしがそう答えると、


「じゃあ放課後、佐奈の教室まで迎えに行くわ」


そう言い残し、銀はあたしの頭をポンッと叩くと足早に教室から出て行った。