でも男の力に敵うはずもなく、あたしはなすがままだった。


「先輩……ふざけるのもいい加減してください!」


何とか先輩の腕から逃れようとそう言うと、


「ふざけてないって証拠見せてやろうか?」


先輩はあたしの顎に指を添えクイッと持ち上げた。


暗い体育倉庫の中に先輩と二人っきり。


今にも唇と唇が重なり合ってしまうほどの距離で互いの視線が絡み合う。


この状況に背筋が冷たくなった。