「あたし前から嫌がらせされてたんです。靴に落書きされたり……」


「それ銀は知ってんの?」


「知りません。銀に心配かけたくなくて……」


「何言ってんだよ。銀は佐奈の彼氏だろ?心配かけてナンボじゃん」


先輩は呆れた表情であたしを見る。


そして先輩は唐突にこう言った。 


「俺は佐奈に心配かけられても平気。むしろ心配かけてほしい」


「そんな冗談やめてくださいよ……」


こんな状況でもプレイボーイぶりを発揮する先輩に思わず顔をしかめる。