「……誰もいない」


倉庫の前に着き辺りを見渡しても、人の姿は見当たらない。 


やっぱり騙されたのかな……?


でも騙されたなら騙されたでもいい気がする。


何もないならそれで十分だ。 


張り詰めていた緊張の糸がプツリと切れる。 


でも一応倉庫の中を確認しておこう。 


あたしは軽い気持ちで倉庫の引き戸を開けた。