踏まれて歪な形になったチョコを美味しそうに食べていた銀の姿が頭から離れない。


頭に触れた大きな手の熱が未だに体に残っている。


「山下……銀……か」


初対面のあたしに助け船を出し、優しく励ましてくれた銀。



銀には感謝してもし足りない位だ。



でも、あたしと銀はの接点はもう何一つ残っていない。


さっきまで一緒に喋っていたことすら奇跡的で。


「もう話す機会ないよね……」


地味なあたしと派手な銀。


明らかに正反対なあたし達。


あたしは雲一つない空を見つめ、そっと神様に願った。



銀とまた話せますように………と。