「あの……銀、ありがとう!」
「どういたしまして」
振り返ることなくそう答えると、銀は片手を軽く上げて屋上から出て行った。
「ハァ……」
一人っきりになっちゃった。
あたしはさっきまで銀がしていたように、その場に寝転がり青い空を見上げた。
好きだった翔太君の前で派手に転び、恥ずかしくて今すぐ逃げ出したかった。
踏まれてグチャグチャになったチョコを見て、胸が痛んだ。
からかわれて、クスクス笑われて、自分が哀れで仕方なかった。
でも、銀のお陰で気持ちが楽になった。
メニュー
メニュー
この作品の感想を3つまで選択できます。
読み込み中…