「佐奈は銀くんと自分のクラスどっち応援するの?」


「う~ん……どっちもかな?」


「また嘘ついた~!素直になんなよ」


真理子にクスクスと笑われ、あたしは少し頬を赤らめ俯いた。


真理子に言われたとおりそれは建前で。


本当は銀を応援したいと思ってる。


大好きな銀が走る姿を見れると思うと胸が躍る。


銀があたしのことを嫌いになってしまったとしても、あたしが銀を嫌いになることはない。



『クラス対抗リレーに参加する選手は……――』


そんなアナウンスに、リレーに出場する選手は一斉に校庭の隅に走り出した。