「あ……うん。ちょっとね」


真理子に心配をかけたくない。


その一心で何事もなかったかのように微笑むと、真理子はあたしの手を取り、


「ちょっと来て?」


痛めた右足を気遣いながら、校庭の端まで引っ張っていった。


「何があったのかちゃんと話して?」


「……本当に何もないよ?」


「嘘つかないで。あたしってそんなに頼りない?」


真理子は悲しそうな表情を浮かべながらあたしを見つめる。