「おい、大丈夫か?」


「大丈夫です。それよりあたし……鈴木先輩を怒らせちゃったみたい……」


レイラちゃんは床に座り込んだまま俯いた。


そんな態度すら、今のあたしには気に障った。 


「佐奈、どうしたんだよ。いつもの佐奈らしくない」


レイラちゃんを心配そうに見つめる銀に怒りとも悲しみともいえない感情が溢れだす。


「……あたし、もういくね」


「おい、佐奈!ちゃんと謝れよ!!」


「……嫌。あたしだって……」


あたしだってレイラちゃんに謝られてない。 


そう言いかけると、
 

「佐奈がそういう奴だって思わなかった」


銀は吐き捨てるようにそう言うと、あたしを冷ややかな目で見つめた。