しばらくの間、銀が買ってきてくれた缶ジュースを見つめ考え込んだ。


「もう銀に関わらない方がいいんだよね……」


銀に好きな人がいると分かった以上、あたしにはどうすることもできない。


銀へのこの気持ちもきっと時間が解決してくれる。


切なくて、苦しくて、悲しくて。


……こんな気持ちもきっと、忘れられるよね。


だってあたし達は元々正反対で。


バレンタインの日に銀が声を掛けてくれなかったら、きっとあたし達は関わり合うことなんてなかったんだから。



今まで男の子に対して全く免疫のなかったあたしが銀という眩しいほどの存在と一緒にいられたこと自体奇跡的なことで。


「銀……大好きだったよ……」



そして、一つの結論に至った。


もう銀には関わらない。


あたしは夕やけに赤く染まっていく空を眺め、頬に伝う涙を必死で拭った。


でも涙は自分の決意を否定するように頬を伝いあごにまで流れていく。


「………っ……うぅっ……」


その涙は銀へのあたしの想いを表す様に、とめどなく溢れ続けた。