「あたしまだ友達もいなくて……ダメですかぁ?」
追い打ちをかけるような台詞を口にして、銀に可愛くお願いする女の子。
あぁ……これは覚悟を決めておいた方がいいな。
きっと優しい銀のこと。
入学したばかりで友達もいない女の子のことを気の毒に思い、承諾するに違いない。
あたしが諦めかけた時、銀が思わぬ言葉を口にした。
「ごめん、それは無理。それに俺達と一緒に帰ったりしてたら、もっと友達作りづらくなるって」
銀は女の子のことを気遣いながらやんわりと断った。
「……でも……!」
「ほら、早く教室戻らねぇと担任に怒られるぞ?」
諦めきれない様子の女の子を諭し、銀は女の子の背中をポンっと押した。