『お前の兄さんってさぁ、政府で殺しの仕事してんだろォ?こっち来るんじゃねぇ、汚いイヌの弟』




『……あそこの家の息子さん。政府に荷担してるらしいわ』





『気持ち悪い。きっと人を殺して楽しんでるのよ』





兄貴の評判は近所でも悪く、俺もあまり兄貴の仕事に対してはいい印象は持っていなかった。



それに、友人なんて出来る訳もなかったし、怨む要素はいくらでもあった。



だけど、優しい兄貴が、俺は好きだった。



―…梓!




優しかったし、兄貴と話しているときは、それは回りには白い目で見てきたけど。



なによりも楽しかったんだ。


兄貴が笑うだけで俺も笑えた。


兄貴が怒ったときは俺も怒った。